KANESUZU 品質のこだわりと品質へのあくなき追求 KANESUZU 品質のこだわりと品質へのあくなき追求

38年活躍してくれた機械が
ついに最後を迎えてしまいました

1986年から38年間当社で活躍してくれた機械、野村DS(旧野村精機)製のSN127が先日の雷で基盤が壊れてしまい、ついにNCが起動しなくなってしまいました。
私が新人の頃、この機械で毎晩遅くまで色んな加工をしたのを思い出します。
今でこそロータリーブッシュで加工する事が殆どですが、当時はSUS304を周速120m/sで削ってみたり、どこまで無茶すればガイドブッシュが囓るのかとか、無茶なことをけっこうやったなー、と思い出します。
 
この機械はテープNC直後の最初のCNCで、Gコードが現在のGコードと違う特殊なコントローラーでした。
 
野村精機製の機械も、この時代からもう少し後のNN16-BⅡまではバイトの固定の仕方が良かったので高剛性で良い機械でしたが、その後バイトの低面を固定するタイプのホルダーに変わってからは、刃先の突き出し量が増えてしまい、刃物剛性の無い機械になってしまいました。
旧ホルダーは、サポートくさびからの刃先の突き出し量は17~18mmだったのに対して、最近の機械の刃先の突き出し量は忘れましたが25mm以上だった気がします。
曲げ剛性は長さの三乗に反比例して弱くなるので致命的です。この事は何回も野村さんに言ったんですがねー、
 
この機械の刃物台は30度くらい傾いてスライドするのですが、傾いているのでX軸にもY軸にも重い刃物台の自重がかかり、バックラッシュが無くなる事もあり、そして鋳物の量も十分有ったので熱変位の減衰特性も良く、かなり高精度な公差の品物も量産出来る良い機械でした。
 
 
たぶん誰もやっていなかったと思いますが、当時私がCNCのRS232Cの仕様を調べて、Windows95標準搭載のターミナルNCと言う通信ソフトのパラメーターを調整して、RS232C経由でプログラムの入出力をしていたんですが、当時の野村精機の人にどうやっているのか聞かれて、その後野村精機が「鳩子(はとこ)」って言うNCとデータをやり取りする通信ソフトを作ったのを思い出します。
 
長い間お疲れ様でした。SN127。